日本で一番有名な戦国武将・徳川家康の一生を、その周りの人々と新しい切り口で描き、話題になっている今年のNHK大河ドラマ「どうする家康」。
家康の家臣団の中でも忠臣のなかの忠臣だった石川数正の出奔事件、謎が多いこのエピソードを脚本の小沢良太さんが創作と史実を混ぜ合わせながら描き、ファンの間では「神回」と言われているのが今回の第34回です!
そんな大河ドラマ「どうする家康」は、どの部分がドラマとしての創作だったのかを含め、時代背景や登場人物などの知識があればさらに楽しめること間違いなし!
そこでこのシリーズでは、『松潤ファン歴女がネタバレ&解説!大河「どうする家康」』と題して、筋金入りの松潤ファンの筆者が、ドラマの解説を交えながら松本潤さんの魅力を紹介しています。
「どうする家康」をより深くより楽しむために、是非参考にしてください!
それでは第34回【豊臣の花嫁】のネタバレ&解説スタートです!
【第34回:豊臣の花嫁】あらすじ
第34回「豊臣の花嫁」 | 動画 | 大河ドラマ「どうする家康」 #どうする家康 https://t.co/wQH73QER0w
— 陽だまり (@bLDjUBzuqkObzzG) September 4, 2023
まさに神回!殿が目覚めさせたあほたわけの大合唱🥹✨
タイトルバックは、築山の花々。
瀬名の「戦無き世を」という想いは、家康と家臣それぞれの心の中で大きく、そして重くなっています…
数正の妻・鍋が生けていた花は、築山に咲いていた花(千代が持っていました)と同じですね。
瀬名と信康を失った悲しみは、家康だけでなく数正や鍋の心の中にも深く深く後悔の念となって降り積もっていたのでしょう・・・
では、第34回の重要な人物を整理しておきましょう。
【初登場のキャスト】
・秀吉の妹(家康の継室) 旭
(演:山田真歩さん)
家康の重臣・石川数正(演:松重豊さん)の敵方・豊臣秀吉(演:ムロツヨシさん)への出奔は、徳川方の手の内を相手方に知られてしまうという恐怖とともに、家臣団に物凄い衝撃を与えました。
今後の戦いに備え、守りを固めていたその時、豊臣・徳川双方に甚大な被害を出した「天正大地震」が発生し、特に被害の大きかった豊臣方は戦どころではなくなりました。
家康に恭順の意を示させるため上洛させたい秀吉は、実の妹の旭(演:山田真歩さん)を家康の継室として嫁がせ、人質として差し出しました。
秀吉への屈服を拒み全面対決を主張する徳川家臣団の面々ですが、その心のうちは・・・
そして、家康の心を長年縛り付けていたあの出来事から、果たして家康の選択した道は・・・
というのが第34回「豊臣の花嫁」でした!
松潤ファン歴女がネタバレ&解説!大河「どうする家康」第34回
🐯どうする家康 第34回 終わりました。 今回は 女性陣 + 石川数正さん 大活躍ですね。👍️♥️ 数正さん の 読みの深さ するどい👍️♥️ 古沢さん 無理やり感 むちゃくちゃ感も なく 自然な感じ 見せてくれました。ちょっと 泣け😭ちゃいましたよ。 次回も楽しみ😚💓🎉🥳🎊🙋😊(^^)/☺️#どうする家康
— みちなか四国 (@Z0cl0tPznajekCZ) September 3, 2023
第34回ネタバレ&解説①【天正地震】
天正13年11月29日(1586年1月18日)亥の刻(22時頃)に発生した、近畿から東海、北陸にかけた広い範囲に甚大な被害をもたらした「天正の大地震」。
今と違い、建物の造りも脆弱で、災害に対する備えもない時代、その被害の凄まじさは想像を絶したことでしょう。
文献などもあまりなく、震源地や被害状況もはっきりとはわからないようですが、一説にはマグニチュード8ほどであった、とも。
2016年、九州地方に甚大な被害をもたらした熊本地震がマグニチュード6.5、2011年、東北地方に未曾有の被害をもたらした東日本大地震がマグニチュード9ですので、天正地震の揺れの大きさは相当なもの。
数々のお城が山崩れで壊滅したようですが、耳覚えのある場所を少しあげてみましょう。
・美濃 大垣城 全壊焼失
・尾張 清州城 液状化による倒壊
・伊勢 亀山城 倒壊
・京都 東寺 破損
・三河 岡崎城 大破
ドラマの中でも、羽柴秀長(演:佐藤隆太さん)が、「徳川との戦に備えていた大垣城が焼け落ちた」と秀吉に報告してましたね。
また、若狭湾、伊勢湾で津波が発生し、沿岸部に押し寄せ村々を水没させたそう。
この「天正の大地震」が
豊臣、徳川双方に与えた影響は?
ムロ秀吉が苦々しい顔をして「つくづく運のいい男…家康!」
って呟いていたよね。
まさにそのとおり。
秀吉は、この天正地震の復興のために、徳川攻めを諦めて和睦に
舵を切ったんだよ。
歴史に「もしも」はありませんが・・・もしこの時、秀吉が家康を攻めていれば、おそらく徳川家は滅亡し、その後の歴史は大きく変わっていたかもしれません。
もしかしたら、500年経った今も、戦国時代をまだまだ続けていた?
そう思うと、この地震は家康の運命を救ったのとともに、現代の私たちの平和をも救った、といってもいいのかも・・・
第34回ネタバレ&解説②【関白の妹・旭姫】
家康との和睦を探る秀吉は、どうしても家康を上洛させ、自分の家臣として臣従の意を示させたい。
けれど家康にしたら、のこのこ敵地に乗り込んで、命を狙われたらたまったものじゃない。
そこで、戦国時代得意の駆け引き「人質」の出番です。
人質は、主君との関係が深ければ深いほど強い人質ですので、普通は実子を差し出すもの。
前回、秀吉との講和の際に人質を差し出すよう求められた家康は、次男の於義伊を人質にしましたよね。
それと見合うだけの人質を今度は秀吉が家康に差し出すとしたら…
ただこの時、秀吉には実子がいませんでした。
そこで白羽の矢がたったのが、秀吉の実妹の旭。
旭は当時結婚して夫がいましたが、離縁して家康の継室になりました。
継室とは…
継室とは、最初の正室を死別や離縁で失った後に迎えた正式な後妻。ふたりめ以降の正室
側室とは…
側室とは、正室以外で正式に認められた妾
「室」は本妻、「局」がそれ以外、ですね。
旭姫は、家康の本妻として迎えられたのですから、家康を妹婿にして取り入りたい、という秀吉の思惑がありありと見えますよねー。
「お前がうまくやらないと、次は母親を送りつけることになりかねないぞ」と身内を脅す秀吉が、五徳の顎をムギュッと持って脅していた信長と重なり、こわっ… となった筆者でした・・・
ちなみに、ドラマの中で旭姫の元旦那さまは、行方知れず、と言われていましたが、離縁後に自害したとも、剃髪して僧になったとも。
まぁ、妻を奪われたわけですから、男としてのプライドもあったことでしょう…
なんとも無体なことです。
旭姫もまた、時代の波に翻弄され、おなごの戦に巻き込まれたひとり、であったのですね…。
旭姫はとても不憫だね・・・
ただ、家康は旭姫を大事にしていたようだよ。
ふたりの間に子供はいなかったけど、家康は正室として旭姫を立てていたんだ。
もしかすると自分も幼少期に人質という立場を経験した家康だからこそ、旭姫の境遇に同情したのかもしれないね。
旭姫は不幸ではなかったのかも。
第34回ネタバレ&解説③【数正の出奔理由】
#どうする家康 の第34回が放送になりました。
— 歴史猫hubuki (@koyamat1025) September 3, 2023
どうする 家康においての石川数正の出奔は秀吉の恐ろしさを家康にわからせ、そして、家康に臣従する理由を与えるためで、単純な裏切りではないという解釈でした。家康につぐ主要キャストのラストとしてはいい終わり方だったのではないでしょうか。 pic.twitter.com/io2gv9fhki
前回、宿敵・秀吉の元に出奔した石川数正。
その理由が、今回明らかになりましたね。
長年の通説は、秀吉との合戦に意気込む家臣団の中で、数正だけが秀吉との和睦を主張し、孤立を深めていって居場所がなくなった、もしくは、命の危険を感じて出奔した、とされていました。
ところが、最近の学者さんたちの説は、今回描かれた「徳川を守るため、戦をとめて和睦させるため」というのが主流になっています。
数正が出奔すると、どうして徳川を守ることになるの?
家康の側近中の側近・数正の出奔で、徳川の軍事機密や、家臣団の内情、財務状況など、とにかく徳川方の全てが秀吉に流れただろうということで、家康は大々的な軍事改革を行ったんだ。
もはや、戦どころではなかったんだよ。
そっか・・・
徳川方の手の内がわかれば、戦を有利に進められる!
秀吉は、さぞや数正を優遇したことだろうね・・・
ところがそうでもないんだ・・・
徳川軍は、井伊直政を中心とした武田式の戦術に替え、秀吉が欲しがった数正の知識は役に立たなくなった。
そのため、数正は秀吉の飼い殺し状態に遭い、数正の処遇は決して良いものだとは言えないよね…
秀吉の力を存分に見せつけられた数正は、自分が秀吉のところに出奔することで、徳川は勝ち目のない戦をすることができなくなり、結果和睦に応じることになる、それが徳川を守る唯一の道である、と考えた。
そのためにあえて、裏切り者のレッテルを貼られ、後世まで「卑怯者」と呼ばれることも厭わなかった数正は、徳川の忠臣のなかの忠臣だったのかもしれませんね。
それに気がついた家臣団が「数正のあほたわけ」と口々に叫び、最後に家康が振り絞るように「あほたわけ」と。
そして、妻・鍋の「まことに殿がお好きでございますな」に「しーっ!あほたわけ」と言って笑顔を見せる数正の「あほたわけ」。
「あほたわけ」は、このシーンのために初回から8ヶ月かけて作り上げてきた、壮大な伏線だったのかも?
数正の過去一番の笑顔がなんともグッとくる素晴らしいシーンでした!
第34回ネタバレ&解説松潤ファン歴女お勧めシーンはここ!
今回のお勧めシーンは、やはりこのシーン一択!!!
どうする家康第34回の潤くんの世界一美しい涙は何回観ても心が洗われるー😭#どうする家康#第34回#潤くんの涙 pic.twitter.com/6CXsRyitq5
— じゅじゅ (@junLOVE20052011) September 28, 2023
家臣の前でも涙を流し、心を震わせ、本音を吐露する主君の演技って本当に難しいと思います。
ちょっとさじ加減を間違えば陳腐な殿さまになってしまうし、号泣すれば家臣団たちの演技と同じステージになってしまうところを、一筋の涙が頬を伝う、潤んだ瞳で思い出の中の「何か」に思いを馳せる・・・
そんな潤くんの演技に、観ているこっちが号泣でした。
是非注目してみてくださいね!!!
まとめ
今回は、『松潤ファン歴女がネタバレ&解説!大河「どうする家康」【第34回:豊臣の花嫁】』と題して、大河「どうする家康」第34回のあらすじとネタバレ&解説をしました。
鉄壁の結束力を誇った家康の家臣団のなかで、唯一敵方へ出奔した石川数正の本意は、もはや誰もわかりません。
ただ、物語としても「忠臣ゆえの行動」と思えば、その人物像や生き方により深みが出て、興味を持つ素敵な家臣ですよね。
次週は一回お休みで、いよいよ秀吉の家臣となった家康が、新しいやり方で天下一統を目指す新章に突入!
ますます盛り上がっていきましょう!
以上『松潤ファン歴女がネタバレ&解説!大河「どうする家康」【第34回:豊臣の花嫁】』でした。