放送開始から4か月が過ぎ、物語は毎回重要なエピソードが描かれているNHK大河ドラマ「どうする家康」。
第16回はオープニングから何だかいつもの回とは違っていて、今後の不吉な予感を煽るような演出が話題になりましたね!
また、通説とは少し違うキャラクター設定や史実の解釈によって物語に奥行きがあって「史実より面白い」と評判です。
そんな大河ドラマ「どうする家康」は、どの部分がドラマとしての創作だったのかを含め、時代背景や登場人物などの知識があればさらに楽しめること間違いなし!
そこでこのシリーズでは、【松潤ファン歴女がネタバレ&解説!大河「どうする家康」】と題して、筋金入りの松潤ファンの筆者が、ドラマの解説を交えながら松本潤さんの魅力を紹介しています。
「どうする家康」をより深くより楽しむために、是非参考にしてください!
それでは第16回【信玄を怒らせるな】のネタバレ&解説スタートです!
【第16回:信玄を怒らせるな】あらすじ
タイトルと終盤で出てきた赤いムカデは武田軍の旗に使われたもので、使番はこの百足旗指物を戦場で携行していました。
— ナツキ シノブ (@ntksnb) April 30, 2023
武田の旗は風林火山のイメージが強いですが、この赤百足もカッコイイ!見ていてゾクゾクします!
(第16回感想絵 )#どうする家康#どうする絵 pic.twitter.com/dbPIabMFb2
いい時期に、いい局面を迎えている「どうする家康」。
前回の第15回「姉川でどうする!」で岡崎時代が終わり、浜松時代に突入したところで、5月5日に浜松祭りに殿が降臨し、相当な盛り上がりでしたね!
今から考えると、あの回とあの回は、ここにぶつけるための時間調整だったのかも?笑。
浜松祭りの詳しい様子はこちらでどうぞ!
まずは、第16回の重要な人物を整理しておきましょう。
三河・岡崎から遠江・浜松へ本拠地を移した家康は、城下で井伊虎松(演・坂垣李光人さん)と名乗る若者に命を狙われました。
虎松に「遠江の民はみんなお前を恨んでいる。遠江から出ていけ。武田が国司にふさわしい。」と言われ、武田が遠江の民の心に深く入り込んでいることを知った家康は、その言葉傷つきます。
そんな武田信玄に対抗するため、家康は信玄の宿敵・越後の上杉謙信と同盟を結べないかと画策しますが、それが信玄の知るところとなってしまいました。
激怒した信玄と対決になることを覚悟した家康は、武田の人質となっている異父弟の松平勝俊(演・長尾謙杜さん)を救い出すことにしました。
ところが、勝俊の脱出には信玄の思惑が・・・
というのが、第16回「信玄を怒らせるな」の物語でした。
松潤ファン歴女がネタバレ&解説!大河「どうする家康」第16回
#どうする家康 第16回。怒らせてはいけない信玄を怒らせてしまった家康。涙を流すかよわき主君を鼓舞する本多忠勝と夏目広次がよかった。徳川家臣団の結束が強まっていくも今年は天下を取りそうな武田勢。信玄と四郎勝頼がとにかくカッコいい!井伊虎松、更なる敵となるか味方となるか…? #どうする絵 pic.twitter.com/8ozONr3iEM
— KEI-CO (@keico) May 7, 2023
今回のタイトルバック、何ともおどろおどろしい赤…赤…赤。
それに可愛いとは言えないムカデがにょろり〜
観終わったときには、このおどろおどろしさが納得できる回でした・・・
第16回ネタバレ&解説①信玄、赤、ムカデ
ムカデは、信玄が信仰した「毘沙門天」の使いとされる生き物です。
今話の最後の方で武田軍の決起の様子が映りましたが、前の方にいる何人かがムカデが書かれた旗を背中に刺していました。
この、ムカデ旗の連中は「百足衆」と呼ばれる信玄の指示を前線の武将に伝える「伝令役」を担っていた家臣たちです。
「百足衆」が担っていた「伝令役」って具体的にはどんなお役目だったの?
百足衆は、敵の動きを探るために戦場を駆け回る重要な役目だったんだよ。
武田軍で重要な家臣になるためには、この「百足衆」が登竜門とされていて、いわば武田のエリート軍団がムカデ旗を背負っていたんだね。
武田と言えば赤、赤と言えば武田、と言うくらい有名なのが、武田軍が身につけた赤い甲冑や兜、いわゆる「赤備え」だよね。
そうだね。
「朱色」は侍の中でも、特に武功を挙げた者に主君から賜るものだったんだ。
武田信玄の家臣・飯富虎昌という人が、親からの領地を貰い受けることができず、武功をあげるしか出世の道がない、武将の次男たちを集めて朱色一色で武具を揃えた一団を編成し戦ったのが、赤備えの始まりと言われているんだよ。
このような「武田の赤備え」と「武田の百足衆」から今回は「真っ赤なムカデ」がタイトルバックになったのでしょうね。
第16回ネタバレ&解説②新登場人物3人衆
今回も、新登場キャラが続々登場でかなり贅沢なキャストでした!
まずは、前回第15回の最後に徳川四天王の4枠目で満を持して、しかも衝撃の登場を果たした井伊虎松(演・坂垣李光人さん)!
徳川四天王とは・・・
・酒井忠次(演:大森南朋さん)
・本多忠勝(演:山田裕貴さん)
・榊原康政(演:杉野遥亮さん)
・井伊直政(演:坂垣李光人さん)
忠勝と康政は似たような年頃で、家康の少し歳下。
直政は忠勝らのさらに下で、家康とは19歳離れています。
4人はどのような経緯で四天王まで上り詰めたの?
忠次は四天王で唯一家康より歳上で、酒井家は家老職を勤めるいわゆる松平家譜代の家臣だったんだよ。
忠勝の本多家も松平家譜代の家臣だし、康政も系譜としては松平家譜代家臣の陪臣だから、この3人は元々松平家の家臣の家系、ということだね。
譜代?陪臣?
前にも出てきた言葉のような気がするけど・・・
なんだっけ??
「譜代」はもともと数代にわたって主家に仕えて、政策にも関わっていたから、君臣関係が強いんだよ。
「陪臣」は家臣の家臣。
例えば、譜代は直臣と言って、主家に直接仕えていて、その直臣の家臣が陪臣、間接的に主家に仕えていたってことだね。
なるほど!
忠次、忠勝は直臣、康政は陪臣から直臣になったんだね!
ということは、虎松は・・・
虎松は今川の家臣であった井伊家の嫡男の子息だから、松平家の譜代でも陪臣でもないんだよ。
それでも四天王と呼ばれるくらい家康に重用されたのだから、家康が家柄ではなく実力のあるものをとりたてて活躍させていたことがわかるよね!
いずれにしろ、この4人のこれからの活躍が家康を天下人に押し上げていくわけで、その最後の人物、井伊虎松が登場したのですから俄然物語は面白くなりそう♪
まあ、ドラマ上の登場の仕方はかなりファンタジーでしたが。笑。
虎松が家康に抱いている憎しみが、どのようにして解かれ、重臣になっていくのかは今後楽しみなところのひとつなので、史実での2人の関係性をお話するのは、もう少し後にしようと思います。
新登場3人衆の一人目が井伊虎松!
そうすると、二人目は?
次に登場したのが、今回大事な役目を担い、武田の人質から徳川へと脱出した、長尾謙杜さん演じる家康の異父弟・松平源三郎勝俊。
回想シーンでも出てたけど、第5話で兄の康元とともに登場していたね。
あ!覚えてるよ!
於大の方が家族ともども岡崎城に引っ越してきて、子供たちを家康に紹介していたシーンだよね。
あれ?でも第5話の解説の時は「この異父弟の中には、後に元康のために大きな働きをした、松平康元や松平康俊がいます。」って・・・
松平勝俊って名前はないんだけど?
そうだったね!
松平勝俊=松平康俊なんだよ。
家康も、元信→元康→家康と改名したよね。
この時代は、名前が替わることはよくあったから、ドラマでは「勝俊」にしたんだね。
勝俊は、実は武田信玄の人質になる前に、今川氏真の人質にもなっていました。
氏真の家臣が今川を裏切って信玄につく際に、今川の人質になっていた勝俊と酒井忠次の娘を信玄に差し出した、と言われています。
勝俊が武田であのような酷いしごきを受けたかは分かりませんが、元亀元年の姉川の戦いの後に武田から脱出をして徳川に戻ったのは史実どおりです。
その際に足の指を凍傷で失ったのもまた事実。
半蔵に助け出されたのか、自ら脱出したのか、はたまたドラマのようにメッセンジャーの役割を担って信玄に解放されたのか、それはどうでしょうか・・・
今大人気の「なにわ男子」の長尾くんの勝俊、このあともまた出番はあるの?
ん~
勝俊はこの武田からの脱出で負った怪我が原因かはわからないけど、若くして亡くなってしまうから、今後は物語になるようなエピソードは特にないんだよね・・・
この後も出てくれると嬉しいけどね!
新登場3人衆の三人目は?
最後は、眞栄田郷敦さん演じる、武田信玄の息子武田四郎勝頼だよ。
今回は顔みせ程度の出番だったけど、今後家康の天下取りに大きく影響してくる人物だから、要チェック人物だね!
ゲスト出演のような長尾謙杜さんは、何とも贅沢な配役でした!
今後も新キャスト発表のたび、ビックリさせられることでしょう。
第16回ネタバレ&解説③家康の最強家臣団
#どうする家康 の第16回が放送されました。
— 歴史猫hubuki (@koyamat1025) April 30, 2023
家康が上杉家と同盟を結ぼうとしたことを理由に、信玄が徳川との開戦を決断する回でした。
武田家は強大で勝ち目のない戦ですが、三河以来の家臣は全て家康と最後まで戦う覚悟であることが印象的でした。
三河武士の忠誠心の高さは家康の最大の強みですね。 pic.twitter.com/bycOwWAPY5
信玄を怒らせてしまって、にっちもさっちもいかなくなった家康。
前回頼もしくなったかと思えば、またすぐ弱気になる。
そんな弱き殿を支え続ける最強の家臣団(今はまだ負け続けているので最強ではないけど)はなぜ、こんな頼りない殿を見限ることができないのか、不思議ですよね。笑。
「ダメな子ほど可愛い」ではありませんが、完璧な殿ではないからこそ、「自分たちがなんとかせねば」と家臣たちが頑張る構図が出来上がってます。
現代でも、仕事をするときは「何のために頑張るのか」ってすごく大事ではありませんか?
もちろん自分のために頑張るのが一番大きい理由ですが、自分の頑張りで上司がさらにその上司から評価されるわけですから、やっぱり「この人のために頑張るんだ」って部下に思わせることができる上司が、勝ち上司だと筆者は思っています。
家康は、この「勝ち上司のロジック」をわかっていて、「頼もしい」と「情けない」の間をうまく行ったり来たりしながら、3歩進んで2歩下がる的にゆっくりゆっくり天下への階段を登ったように思うのです。
家康は、信長や秀吉のように、自分のカリスマ性だけで急階段を2段跳びで駆け上がると、足を踏み外したり、ついてこれない家臣に軽くすがりつかれただけで後ろに倒れたりするのを学んでいた。
だからこそ、家臣たちと一緒にゆっくり登りながら一緒に成長する道を進んだ・・・と考えると上手いやり方だと思いませんか?
今はまだ情けなさ3歩、頼りがい2歩、的に弱いんですが。笑。
第16回ネタバレ&解説④松潤ファン歴女お勧めシーンはここ!
『どうする家康』第16回 “家康”松本潤、武田方に送っていた義弟“源三郎”長尾謙杜を救出 #どうする家康 #松本潤 #長尾謙杜 @nhk_ieyasuhttps://t.co/7WORu6iPGX
— クランクイン! (@crank_in_net) April 29, 2023
家臣団に「信玄に何が及ばないのか、包まず申せ」と言ったのに、数正に「すべて」と言われて「もう少し遠回しに申せ!」と怒った顔の家康。
「え・・・いま包まず申せと・・・」という「なんだこいつは?」の感じの数正の表情の対比がめちゃくちゃよかった!
信玄に謀がばれて家臣団を集めて今後を話し合うところ、背中のアングルから振り返った瞬間の表情も憂いに満ちていて素敵でしたね。
チーム家康にコテンパンに馬鹿にされて、情けな~く弱音を吐きますが、家臣団に鼓舞されて流した涙の美しさ・・・
感情の機微がグッと胸に迫る演技でしたね。
今週も松潤ファンには見どころ満載でした!
まとめ
今回は、『松潤ファン歴女がネタバレ&解説!大河「どうする家康」【第16回:信玄を怒らせるな】』と題して、大河「どうする家康」第16回のあらすじとネタバレ&解説をしました。
「弱い」・・・そんな殿を鼓舞すべく、すごーく痺れることを言ってくれた久しぶりの登場、夏目弘次さん。
初回からずっと張られていた壮大な伏線が来週あたり回収されそうな予感がしました。
いよいよ次回は、家康3大危機のうちの最初「三方ヶ原の戦い」に突入しますね!
楽しみがとまりません・・・
以上『松潤ファン歴女がネタバレ&解説!大河「どうする家康」【第16回:信玄を怒らせるな】』でした。